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ケベックのフランス語VSフランスのフランス語

私が今回訪れたのは、カナダケベック州のギャティノー。 こちらでは、カナダのフランス語「ケベッコワ」を話す家族の家に泊めてもらっている。

お母さんは英語圏で生まれ育ったので、母語は英語、お父さんはケベック州出身のフランス語母語話者である。

子どもたちは、お父さんといる時はフランス語、お母さんといる時は英語を話している。子どもたち同士ではフランス語を使うことが多いよう。

3兄弟全員フランス語と英語は同レベルで話せるのだが、ケベック州全体で見ると英語とフランス語のバイリンガルは案外少ない。 ケベック州以外の地域で「フランス語が話せないから」とコンプレックスを感じている人とは出会ったことはないが、ケベックでは、英語を話せないことに強い劣等感を感じている人が意外とめちゃくちゃいる。(同時にフランス語を話すことへの誇りも強く感じられるのがまた面白いところだ)



彼らの話すフランス語は、フランス語といってもケベッコワと呼ばれるケベック州のフランス語。じゃあ、フランスのフランス語とカナダのフランス語は具体的になにが違うのか。 私が今回の滞在を通して感じた違いを2つ紹介してみる。

①発音の違い ケベッコワとフランスで話されるフランス語の1番の特徴の違いは発音である。 ケベックのフランス語は、フランスのフランス語から「訛った」というよりは元々のフランス語を維持している、と言われている。 フランス人探検家が、ケベックに入り植民地化した頃の17世紀のフランス語が変わらず残り続けているのだ。

②英語の流入 ケベック州は英語圏に囲まれまくっているので、もちろん英語からの影響もあるだろう。 英語の流入を2つのパターンに分けてみた。 1つ目は、英語の単語がそのまま入ってきたパターンで、例えば「fun(楽しい)」や「checker (チェックする)」などの語彙はケベック特有の表現である。

2つ目は、英語の単語をフランス語にそのまま置き換えたもので、例えば「fin de semaine (week-end)」、「maïs éclatés (popcorn)」などが挙げられる。 フランス本国では「week-end 」とそのまま使われているのに、ケベックではわざわざ英語を直訳して「fin de(end) ➕semaine(week)」でfin de semaine(週の終わり)という言葉を使っている。 この2つ目の流入パターンは、北米の英語圏に抗うケベッコワの抵抗のように感じられて非常に興味深い。



 
 
 

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